わたしの開高健

わたしの開高健を読みました。図書館から借りたまま、つん読している間に返済期日を過ぎてしまっていました。たまたま昨日は眠れずにいたので、この本を手にとって読んでみたら・・・、面白かったですね。おかげで眠れずに夜明けを迎えてしまいました。

開高健は私には、巡り合わなかった作者で、つい最近寂聴女史が開高健に関して文章を書いているのをみて、「夏の闇」を流し読みしていたところです。「夏の闇」は壮絶な小説で、若いときに巡り合っていたら、私の中では村上春樹を遥かに凌ぐ小説家になっていたでしょう。開高健とは、釣り好きで、グルメで、サントリーのコピーライターぐらいにしか思っていなかったので、まあ、巡り合う事はできなかったのですね。

学生時代に「夏の闇」に巡りあい、開高健ファンになった作者(細川布久子)が、念願どおりに開高健のすぐ近くで生活するようになって、それでもずーと熱烈なファンであり続け、ここにきて、とうとう作者にしか知り得ない開高健を披露してくれるのがこの本「わたしの開高健」です。

「夏の闇」のヒロインのモデルとなった女性との別れや、夫人との確執などは、興味がある人には貴重な話になることでしょう。

あとがき(あとがきにかえて)の直前の文章。(ドメーヌ・ド・ラ)ロマネ・コンティのオーナーとのインタビュー中に開高健の『ロマネ・コンティ・1935年』が突如として引き合いに出され、それが縁でロマネ・コンティ1997を試飲することになったエピソードには、泣けたな。

 

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