ウィキリークスが本当に暴き出すもの #2

今日の日本経済新聞にでたウィキリークス関連の記事だ。

ウィキリークス攻防激化 各国が包囲網、民間も呼応
サイト側は移転や増設で対抗
2010/12/7 2:14
大量の米外交公電を公表した告発サイト「ウィキリークス」に対する包囲網が強まってきた。米国では同サイトへのサーバーの貸し出しを取りやめたり、寄付金口座を閉鎖するなどの動きが相次ぎ、大規模なサイバー攻撃も発生した。一方、同サイトの支持者らは同じ内容を掲載した別サイトを続々立ち上げている。告発サイトの是非を巡る議論が尽くされる前に、その存亡をかけた情報戦が激しさを増している。
ウィキリークスが米国の外交公電の一部を公開したのは11月28日。その直前から、サイトに対する大規模なサイバー攻撃が始まった。多数のコンピューターを動かし標的のサイトに一斉にアクセスする「DoS」と呼ばれる攻撃で、一部のネット利用者はサイトの閲覧が一時できない状態になった。当初は愛国主義的な米ハッカーが中心だったようだが、その後、参加者が内外に広がった。
内部告発サイト「ウィキリークス」を巡る主な動き
2006年
オーストラリア国籍のアサンジ氏が「ウィキリークス」を設立
2009年
多国籍企業がコートジボワールで有毒物質を不法投棄したとする内部資料を公表
2010年4月
米軍によるイラク民間人の誤射殺害映像を公開
7月
アフガニスタンでの米軍事作戦に関する機密文書7万点以上を公表
10月
イラク戦争関連の米軍機密文書約40万点を公開
11月
米国の在外公館が送った外交公電約25万通を入手し一部を公開
国際刑事警察機構(ICPO)が性犯罪の容疑でアサンジ氏を国際指名手配
12月
米アマゾンがウィキリークスへのサーバー貸し出しを中止したことが判明
米電子決済サービス会社、ペイパルがウィキリークスへの寄付金口座を閉鎖
■公式サイトはスイスへ
ネット上の「住所」を管理する米国内の企業は、他の顧客のサイトが影響を受けるのを避けるため、ウィキリークスの住所管理を中止。公式サイトはスイスへの“引っ越し”を余儀なくされた。
米政府は「世界の安全保障への攻撃」(クリントン国務長官)、「深刻な犯罪」(ホルダー司法長官)と非難。流出源やウィキリークス関係者を対象に捜査を始めた。
政府の非難に呼応するように米アマゾン・ドット・コムは、ウィキリークスに対するサーバー機能の貸し出しサービスを中止した。サーバーはサイトの運営に不可欠な高性能コンピューター。アマゾンは「顧客は自分の所有権が明確なデータのみ貸しサーバーに預けることができる」と、利用規約に違反している可能性を理由に挙げている。
さらに、同サイトへの寄付金口座を運営していたネット送金サービスの米ペイパルも、利用規約違反を理由に口座を凍結した。欧州や豪州でもアサンジ氏を罪に問う動きが広がっている。
■数百の複製サイト?
ウィキリークスはスイスとアイスランドを本拠地とする企業の口座に寄付金管理場所を移したもよう。サイトのネット上の住所もスイスだけでなく複数の欧州国に分散している。米政府はスイス政府に対し、同サイトや創設者のジュリアン・アサンジ氏は犯罪者だとしてサイト運営や資金管理上の保護をしないよう要請しているもようだ。
だがサイバー攻撃後、世界中のウィキリークス支持者はサイトの内容をそっくりそのまま見られるミラー(鏡)サイトを新規に立ち上げた。その数は数百に上るもよう。不正などを暴くためネット上の匿名性を重視するグループは、ウィキリークスを攻撃する政府や企業に対するサイバー攻撃を呼びかけている。
上記掲載の冒頭部分に”当初は愛国主義的な米ハッカーが中心だったようだが、その後、参加者が内外に広がった。”との記述があるが、ここに日本経済新聞の思慮が働いている。実際には最初からアメリカの攻撃であるのは明白だ。このように情報というのは編集されてしまうのである。”愛国主義的な米ハッカー”もまんざらいないわけでもないだろうが、閲覧を長時間不可能にするほどの力はない。こういった、微妙な、嘘ではない嘘が巧妙に記事の中に紛れ込まさせられるのが「編集」である。嘘ではない嘘で塗り固められた嘘で情報操作がされている。
いずれにせよ、現在サイバー空間では、息もつかせぬ攻防がくり広げられているわけで、また、元々創設者のジュリアン・アサンジ氏がハッカー出身ということもあり、幾多の人が、色々な意味でこの戦いに注意しているわけである。ある意味、未来を決める戦いにもなっているかもしれない。ちょっと前に、中国政府(もしくは要人、とはなっているが、これは素直に中国政府だろう)がGoogleにサイバー攻撃を仕掛けたという記事があったが、権力というのは同じような反応をするということが判る。
ウィキリークスの本拠地が、核攻撃に具えたシェルターの中にあるということだが、当初は大げさだなと思っていたのだが、今は、”意外にそれなりの構えだったんだ”という感想になってしまった。
日本に関する機密が6000ぐらいあるとのことだが、どんな反応が見られるのか、ある意味、楽しみな今日この頃ではあります。