ヨガと超心理 本山博 その2

ヨガと超心理―ヨガ,超心理,鍼炎医学 (1972年)について、前回は呼吸について述べましたが、今回は念力の箇所についてです。

著者は鍼炎医学を応用し、皮膚電流をしらべることで念力を調べるのですが、このように皮膚電流を調査するのが、著者の科学的足りうるところで、他の著書にも電位差のグラフなどはよくでてきます。それが、私の苦手なところではあるのですが、そのテストについての箇所(p148-150)を紹介します。

Single-Pairテスト
以上のようないろいろなテストをしたのは、要するにこれはpKの発現条件を調べるための一つの前段階なんです。こういうことがわかった上で、今度はPKが発現する、或は働く場合は、生命力或は気というものがどういう状態にあるかということを、だんだん調べていったわけです。先ず二人一組の一人ずつについて、今言った井穴の左右差を測ってみたわけです。次は二人を同室にして座らせ、各人の左右の井穴差を同時に二台の測定測定器で測ってみると、一人の時と比べて、二人を同室に置くだけで、各人の白律神経の動きや生命力、気といいますか、(念力とでもいうか)、そういうものの動きが非常に変わります。
右のような実験の結果から、次のようなことがわかりました。それは二人以上の人間が同じ所に同時におった場合、今この会場には沢山の入がおるわけですが、ここにただ一緒におるだけで、互いに人間の間には身心共に影響があるというわけです。それが意識されようとされまいと、人閻の身体の上では非常に大きな変化がおきている。特にどういう所でおきているかというと、胃の経絡、脾臓の経絡、腎臓と三焦の経絡、こういうものに大きな変化が、一緒にいるだけで生じてくる。三焦経というのはさっきも申しましたように、今の医学ではわからないのですが、昔の支那の医学やヨガのプラーナの説明によれば、根源的には一つである生命力が、生命を維持するために三つに分かれて身体の各部を動かし、生かしている。この三つの生命力、気を三焦と呼び、この三焦の動向と密接不離の関係にある経絡が三焦経であります。この三焦経に、二人以上の人間が同所に同時に入ると、意識するとしないにかかわらす、大きな変化の生ずることが判明しました。つまりニ人以上の人間が同時に入るだけで、各人の生命力の動向に変化がおきるのですから、この三焦、つまり生命力、気は、互に他人の気に影響を及ぼす、念力、サイコキネシスのようなものとも思えます。
右で話したことは、一人でいる場合に比べて二人でいる場合には、各入の各経絡の気の動きがどういうふうに変わるかということをみてみたのですが、いろいろな組み合わせをしてみると、次のようなことがわかりました。それは、母親と予供とを組み合わせた場合、夫婦を組み合わせた場合。姉妹を組み合わせた場合、兄弟を組み合わせた場合、非常に面白いのは、親から子供へ、夫から妻へ、兄から弟へ、姉から妹へというふうに、変化の非常に大きい側は、母親と子供の場合ですと、子供の方です。それからまた、妻、妹、弟というふうに、どっちかというと相手に対して従う態度をとっている方ですね。ただ何もしないでおるだけで、両方同時に測る訳ですが、その場合に、従の態度をとっている方に大きな変化がおきる。これは催眠現象についても言えるわけです。
それから霊能者と普通の人、強い霊能者と弱い霊能者を組み合わせてみると、とにかく霊能者から普通の人への影響の方が非常に大きいわけです。どっちも変化は起きるのですが、普通の人の方が大きた変化を示すし、強力な霊能者と弱い霊能者の二入を置いた揚合は、どっちにも変化は起きますが、弱い方に変化がよく起きるようです。従って、二人以上の人間が同時にいる時、各人のもつ霊能の強弱によって各人に生する気の変動の程度が異なってくることがわかります。この霊能の強弱の相違が、pK現象を起こす一つの条件のように思われます。
わかりやすく言うと、好むと好まざるに関わらず、人はお互いに心身をつうじて干渉しあうと言うことです。気のせいかと思っていたかもしれないが、物理的に経路に変化をきたし、ひるがえって、五臓六腑に現実的に干渉する。とくに弱い部分、胃や肝臓など、弱っている部分には大きく干渉する(上記以外のところで述べています)とのことです。干渉しあう方向としては、強い方から弱い方へという流れがあるということです。
念力に関しては、ポルターガイスト現象があるところに子供がいるとよくいわれています。念力に限らず、世の中の矛盾は弱いところにあらわれます。子供は弱者の端ですから、ここにあらわれる現象には注意しなくてはならないのでしょう。強いものは弱いものに対して大きな責任をもっています。学校の先生や、子供を持つ親には意識してもらいたいところですね。
話は若干かわって、お見合いの名人になると、うまくいくお見合いは、匂いがするそうです。それは、出会いが経路に影響を与え、男女それぞれの分泌器が反応するのでしょうね。

ヨガと超心理 本山博

ヨガと超心理―ヨガ,超心理,鍼炎医学 (1972年)を読みました。

これは講演をまとめたものということで、読みやすかったですね。本山さんの著書はなんどか手にする機会はあったのですが、なかなか難しくてあまり読めませんでしたが・・・。

この本で、今の自分にマッチした箇所は、呼吸と念力の部分でした。

今回は呼吸の第四段階プラナヤーマの部分(p24-30)をご紹介しましょう。

第四段階プラナヤーマ(呼吸法)
次が第四段階の呼吸法、プラナヤーマです。プラナヤーマのブラナというのは、字宙に遍満している神命の気、生命力ということです。先す呼吸の方法について、種々ある方法のうちの基本的なものの一つを話してみましょう。
シッダアーサナ或はパドムアーサナの姿勢で、先す片方の鼻孔から空気-気-をゆっくり吸い込むのです。左でも右でもかまわないから、片方の鼻孔で吸う。ロではだめです。ゆっくり四秒程かけて吸い込みます。その際、胸式呼吸ではだめです。腹の中に気を吸い込むという気持で.腹をゆっくりふくらませる腹式呼吸をしなけれぱなりません。その時、喉の中の前側にある気管を通じてでなく、後側の食道を通じて空気を胃の中に吸いむ込ようにすると、うまく自然に腹がふくらんで腹式呼吸ができます。食道に空気を吸い込むには、咽頭の所で後の壁に沿うて空気が流れ込むようにします。そうすると、後の壁に沿うて冷たい空気の流れるのがよく解ります。そうすればうまく食道を通じて空気が胃の中へ入り、腹式呼吸ができ、腹が自然にふくらみます。空気を食道を通じて胃の中に吸い込む時に、今宇宙に漲っている神の気を吸い込んでいるのだと思うことが大事なのです。そうして四秒程かけてゆっくり空気-気ーを吸い込んで、腹がふくらんでくると、そのふくらんだままの姿勢で神の気が丹田に溜まっているというふうに思って、八秒ぐらいそのままの姿勢で止めておくのです。次は息を止めたままで、腹をグッと凹ませて、肛門をギュッと締めて上へ上げます。肛門をギュッと締めて上へ上げながら.眉てい骨の中にあるクンダリニの力-」これは要するに先天の原気と申しますか、生命の根源力というようなものですーを丹田の所、腹の内へ引っぱり上げてくる。そしてそこに溜めてあった神の気ーブラナーと一つに混ぜる、合わすわけです。その間八秒ぐらい、息を止めたままで行ないます。最後に、今度は凹ませてあった腹を普通の状態に素早く戻し、吸う時とは反対側の鼻孔からゆっくりと四秒ぐらいで息を吐きます。その時、自分の中で生じた、神の気と生命の根源力を一つにした宇宙の最も根源的な力を、今、外の世界に与え漲らせつつあるのだというふうに思うことが肝心です。これはは自分の中で元通りにされた宇宙の一なる力を、自分以外の凡てのものに分かち与える愛の行とも言えるものです。
以上で一呼吸が終わるわけですが、全体で二十四秒かかります。ということは、一分間に二回半から三回ぐらいの呼吸回数ということになります。こういう呼吸を七回ないし十四回、或は二十一回というふうに七の整数倍行うのがよいと言われています。それはヨガに、身体と精神を媒介し統一する微細身というのがあって、その微紬身にチャグラというのが七つあり、そのチャクラの働きによって我々の生命が保持されているとヨガは教えるのですが、そのチャクラをもっと活勤させ、生命力を旺盛にするには、右に述べた呼吸法で、神の気とクンダリニの力を一つにした宇宙の根源力を、一つ一つのチャクラに集中するとよいと言われているのによるのです。即ちチャクラは七つあるわけですから、七の整数倍だけ呼吸をすることになります。初めの間は、七~十四回が適当です。それ以上の回数をしますと、頭痛等が生じます。慣れると徐々に回数を増やすといいと思います。
右の呼吸法をしただけで、かなりの程度に病気は治ります.次に、ブラナヤーマをするだけでどうして病気が治るかという理由を、少し話してみたいと思います。このプラナヤーマでは、臍の下の丹田にいつも意識が集められており、腹式呼吸が行なわれます。道教では、「頭を空にして丹田に心を集めよ」ということがよく言われます。これは、人間は日頃常に頭を使って意識ー心ーを頭に集めている。ところが心を頭にのみ集中して使いすぎると.気が頭にのぼり、胃病、心臓病等の種々の病気が生じやすいこと-現代病と言われる心臓病、胃病、ノイ日ーゼ等が頭脳労働者と呼ばれる管理織等に多いことは、上の遣教の教えと合致するものですー、及び心を頭でなく丹田-腹-に集あることによって、気が下に下がり、気力が充実し、身体が健康になることを体験的に知っていたことに基づく体験的知慧だと思います。ヨガのプラナヤーマでは、右の道教の教えと全く同じことが行なわれている、従ってプラナヤーマで健康になるわけです。次にヨガのブラナヤーマでは、丹田に意識を集めるだけで疲く、丹田の所にプラナを導入し、止息して貯え、腹を凹ませてクンダリニのエネルギーとプラナを一つにし、次に吐気をするという腹式呼吸をします。この腹式呼吸が、健康を大いに増進するのです。その理由を少し話しましょう。
胃の右後方で横隔膜の下に太陽神経叢いう重要な神経叢があります。これは胃、腸、腎、肝、膵、脾等の腹部の諸臓器に神経を送り、これらの機能を支配する重要な神経叢で.腹の中の脳-腹脳-だとも言われます。右のプラナヤーマをしますと、腹圧が高まり横隔膜を刺戟し、更に太陽神経叢を適当に刺戟し.腹部の諸内臓の機能が活発になります。それによって健康が増進されます。またブラナヤーマでは、腹を脹らませたり凹ませたりして腹筋を運動させます。これが、腹部に多量に溜まっている静脈血等を心臓に送り還すことになります。というのは、腹部の静脈管は腹筋の運動によって、静脈血を心臓に送り還すポンプの役目を増大されるからです。腹部に多量に静脈血が溜まりますと、身体全体に新鮮な血の循還が不十分となり種々の病気の原困となります。逆に腹部の多量の静脈血が心臓に還流し.肺に行き、酸素を吸取した新鮮た血となって体内を還流する時、身体の各臓器、組織は十分にその機能を発揮し、身体全体が健康になります。上のような理由で、プラナヤーマに含まれている腹筋を脹らませたり凹ませたりする方法も、健康を増進するのには大いに有益なわけです。
以上のような種々の理由で、ブラナヤーマをするだけでも健康になるということがわかって戴けたかと思います。ほかにもプラナヤーマをすることによって健康になるという理由があると思いますが、→応、上述のような理曲の説明だけに止めて、次の間題に移りたいと思います。
以上ですが、今の自分には非常に大切な事柄が書かれておりました。例えば、「シッダアーサナ或はパドムアーサナの姿勢で、先す片方の鼻孔から空気-気-をゆっくり吸い込むのです。」と書かれているのですが、まずこの箇所を読んだら理解できないというか、わからなかったものと思われます。なぜ片方の鼻なんだと??で終わっていたものと思われます。
自分は今、結果的にこのような呼吸をしている最中でした。”ひょっとこ”のように顔面をつくると片方の鼻から呼吸ができます。
なぜこのような呼吸をしているかというと、たまさか「喉の中の前側にある気管を通じてでなく、後側の食道を通じて空気を胃の中に吸いむ込ように」するためでした。それはなぜかというと、自分は蓄膿症気味でうまく呼吸ができずにいたのですが、それが治りつつある-たばこを止め(20年ほど前)、姿勢を正すことに意識していた結果だと思われますが、それはさておき-、その結果、喉に負担をかけないようにすれば、さらにリラクゼーションというか、体に弛緩をあたえることができるのではないかと模索していたことがこの呼吸法を模索することにもなっていたのです。
そういうことだったので、ハタと膝を打つようなことでしたね。習い事は師に出会わなければダメといわれていますが、全く持ってその通りだと思います。師はそのように存在を通じてさまざまな事を教えてくれるからでしょう。師がいない自分にとっては、このような箇所に出会うことは非常に大事なことなのです。
瞑想をするようになって20年以上も経ちますが、現在やっと理解できるようになったことも、師がいれば、もっともっと早く理解できるようになっていたのではないかと思います。